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なぜシノアリスのギシアンパスは魅力がないのか。サブスク設計について考える。

駒鳥です。

最近仕事柄、サブスクリプションサービスについて考えることが多くなっています。
と言うか2021年度は「サブスク」が自分の仕事のテーマになりそう。

以前読んだ本ですが、「サブスクリプション」を読み返したりしています。

ちょうどそんなタイミングで、僕も遊んでいるソシャゲの「シノアリス」に、サブスクリプション型の有料サービスが登場しました。
サービスの開発、検討を行う立場から、その内容から考えさせられることや学びが多くありました。(その点で、本当にとても良い教材になった)

最初に断言すると、僕はギシアンパスに魅力を感じませんでした。

この記事では、何故ギシアンパスに魅力を感じないのかを考え、そこからサブスクリプションサービスのあり方について考えてみようと思います。

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シノアリスのギシアンパスの内容

まずはシノアリスのギシアンパスの内容を解説します。
シノアリスを知らずとも、一般的なソシャゲの知識でなんとなくわかるように解説をします。

ギシアンパス金の内容

ギシアンパスには、金額の違う二種類のプランがあります。
それぞれギシアンパス金、ギシアンパス銀と名前がついています。

まずは上位プランであるギシアンパス金の内容を説明します。
この記事で主に考えるのは、こちらのギシアンパス金のプランについてです。

ギシアンパス金の内容

値段

月額5,500円(初回のみ1ヶ月無料)/自動更新

内容

  • マンスリーミッションで魔晶石最大550個
  • モノガタリSKIP回数の上限が10回増加
  • 毎日5回無料でAP回復
  • 継続2回目以降マンスリーミッションの報酬2倍
  • 継続2回目以降全モノガタリで経験値3倍
  • 継続2回目以降、継続ごとの初回ログイン時にガチャチケット(11連ガチャ4回分)
  • 継続3回ごとに好きな武器を3本選んで獲得
  • 継続3回ごとに装備セット枠が1枠拡張
  • 専用ログインボーナスで強化素材を獲得
  • 武器、防具、ナイトメア各所持枠を50枠ずつ拡張
  • オソウジ待機時間を2時間短縮
  • 1日のフレンドメダル獲得枚数上限が2枚増加して5枚になる
  • ベースガチャがS以上確定ベースガチャになる
  • 限定スタンプが10個使用できる

魔晶石はガチャのために必要なアイテム、つまり石です。
モノガタリはいわゆるクエスト、ゲームの部分で、APを消費して実行します。
「オソウジ」と言うミニゲームでAPが回復できますが、一度実行すると通常は8時間待つ必要があります。

またこのシノアリスというゲームは、コロシアムというGvG要素があり、これがゲームの目玉になっています。
コロシアムの戦略上、武器を集め、また同一武器を重ねて限界突破することの重要性がとても大きくなっています。

継続3回ごとに武器が3つもらえますが、これは交換可能な月の6ヶ月前までにゲーム内に登場したガチャ産武器が対象です。
ただし、強い武器が手に入る特化ガチャの限定武器など一部は対象外です。

ギシアンパス銀の内容

次に、ギシアンパス銀の内容を解説します。
一部の効果は、ギシアンパス金と同時に契約することで、効果を2倍受けることができます。

ギシアンパス銀についてはこの記事では特に触れないので、内容の紹介だけにとどめます。

ギシアンパス銀の内容

値段

月額1,000円/自動更新

内容

  • マンスリーミッションで魔晶石最大100個
  • モノガタリSKIP回数の上限が10回増加
  • 継続3回ごとに装備セット枠が1枠拡張
  • 専用ログインボーナスで強化素材を獲得
  • 武器、防具、ナイトメア各所持枠を50枠ずつ拡張
  • オソウジ待機時間を2時間短縮
  • 共闘でもらえるフレンドメダルの1日の獲得枚数上限が2枚増加
  • ベースガチャがS以上確定ベースガチャになる
  • 限定スタンプが10個使用できる
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ギシアンパスについての総評

以下、ギシアンパス金についての総評をまとめています。
個人的には、すごく微妙、というかサブスクリプションサービスとしては魅力を感じず、サービス設計としてもいいものではないと感じているので、ネガティブな意見が多いです。

ギシアンパスの内容を簡潔にまとめると、金額分の石はもらえて、ゲーム内でも恩恵が受けられる、ということだと思います。

さらに、2ヶ月3ヶ月と続けることで、もらえる石も増え、ゲーム内の恩恵も大きくなるという設計です。
つまり、続ければその分お得な商品として設計されているわけです。

ただ、シノアリスは頻繁に石の販売キャンペーンとして、通常の金額で2倍の石がもらえるキャンペーンをやっています。
5,500円で(2ヶ月目以降の)1,100個石がもらえるのは、このキャンペーン基準で考えると特別お得ではありませんが、3回継続で武器がもらえたり、所持枠拡張等の恩恵がある分お得になっています。

一見するとかなりお得なのですが、初月無料のお試し期間を使って試してみると、

「本当にこれは良いサービスなのか?」
という疑問がいくつか湧いてきます。

「ユーザーにさせたいこと」ベースのミッション

その代表と言えるのが、一番の目玉のマンスリーミッションです。
月単位でリセットされるミッションをゲーム内でクリアすれば、最大550個もしくは1,100個の石がもらえます。

以下が、ミッションの内容です。

ギシアンパスのマンスリーミッションの内容

  • コロシアムに○回参戦
  • モノガタリを○○回クリア
  • 共闘からモノガタリを○○回クリア
  • オソウジに○回挑戦

つまり、ゲームをしっかりプレイして、1日1回のコロシアム(GvG)やミッションの共闘をこなしていけば、1ヶ月の間に石が手に入るようになっています。

実はこれがユーザーにとっては大きな足かせになっています。
購入した直後に石は手に入らないのです。

コロシアムが1日1回である以上、どんなに頑張ってもその日のうちに石を回収しきることは不可能です。

そしてこれは、ゲーム運営サイドが、プレイヤーにしてほしいことをミッションにしている、と捉えることができます。

先述した通りコロシアム(GvG)がこのゲームにおける重要な要素です。
自分のアカウントを強化して、多くの武器を手に入れるために課金するユーザーが多いのです。

裏を返せば、運営サイドが売上を増やすためには、コロシアムに参加するユーザーを増やせば良いことになります
さらには、ギルドに参加して、クエストや共闘を通してゲーム内でコミュニケーションをとってくれるユーザーが増えれば、コロシアムへの参加も増え、運営にとって良い循環になると考えられます。

コロシアム参加数や、クエスト実行数、共闘数などはゲーム運営上の重要な仕様(KPI)として設定されていると思われます。

ギシアンパスのマンスリーミッションは、お得感を餌にして、このKPIを改善するためのテコ入れに見えます。
このように考えると、オソウジの待機時間減少やフレンドメダル獲得数増加も同じ目的に見えてきます。

つまり、ユーザーにとってお得な内容に見えつつ、実は運営がユーザーにしてほしいことをベースに設計されている、と考えられます。

ここまでくると、本当にこのサービスはお得なのか?という疑問を感じざるを得ません。

継続することに無理やり価値を持たせている

ギシアンパスには、2ヶ月、3ヶ月と継続することで報酬が増えたり、まとめて武器がもらえる、という特典もあります。
これも正直、サブスクリプションモデルのサービスとしては良くない例なのではないか、と感じます。

なぜかというと、
「続けなければ勿体無い」
「ここで解約したらまた1月目からやり直しになる」

と、ユーザーは感じざるを得ないからです。
これはユーザーにとっては、サブスクリプションを続けるネガティブな理由となり得ます。

当然、サブスクリプションサービスの設計としては良くないと考えます。

内容面において、ユーザーが辞めたい時に辞められない設計になっているのです。

もちろん、実際は契約をやめることができます。
ただし、途中解約の場合は、継続したユーザーと比べて、同じ金額で受けた恩恵が異なることになり、フェアではありません。

「サブスクリプション・ビジネスを長く続けたいなら、特に顧客の不満が光速で拡散する時代においては、黄金律に従わなくてはならない。
すなわち、辞めたいと思っている顧客が簡単にやめられるようにするべきだ。
もちろん、なぜやめるのかをたずねるのはよいし、再契約を試みるのもよいが、やめるのを邪魔してはいけない」

これは解約までの道筋、という点のみならず、継続することに無理やり価値付けを行うことで、継続しないユーザーの「解約したい」という思いを封じ込め用としてるように見えます。

継続率を上げたいということだと思いますが、ユーザーは毎月のサービスに納得し、価値を感じられるから継続するのであって、続けないと特典を受けられない状態はマイナス評価です。

NetflixやSpotifyで、3ヶ月継続したら視聴できる、聴けるコンテンツが増えます!なんてないですよね…。

ギシアンパスでグレードアップするログインボーナス、内容はしょっぱいのに。。

ギシアンパスのログインボーナスの内容

1つだけ方向性が異なる「SKIP」の上限

様々な特典の中で1つだけ方向性が他と異なっていて、異質に感じる特典があります。
それが、「モノガタリSKIP回数の上限が10回増加」するというもの。

SKIP機能は、ギシアンパスリリースと同時に実装された機能で、モノガタリ(クエスト)をプレイしなくても、その分の報酬がもらえる仕組みです。
ギシアンパスに加入していないと、1つのクエストで1日にSKIPできる回数は1回のみですが、加入することでこの上限が10増えます。

シノアリス以外のゲームでも実装されることが増えている機能で、シノアリスのユーザーからも、実装してほしいという声が挙がっていた機能であると認識しています。

個人的には、このSKIP機能は、後述するユーザーのニーズに応えられていて、ギシアンパスの中で価値を感じられる部分である、と思います。

しかし…いざ使ってみると、本当にスキップしたい、討伐と呼ばれるクエストはスキップできないようです。
普通のイベントクエストはいつでもできるので、スキップできなくても比較的楽ですが、時間的な制約のある討伐はなかなか大変で、そこをスキップできないのは魅力半減です。

先述したように、ギシアンパスの特典の多くが、「ユーザーに時間をかけてしっかりプレイしてほしい」という意図がありそうなのに対して、SKIP機能だけ、「楽できてお得」という考え方に基づいている、と考えられます。

このSKIPに関する特典だけ他の特典と比べて方向性が異なっているように感じる、としたのはこのためです。

言い換えると、他の特典の意図と矛盾しており、ギシアンパス全体としては一貫性がないように感じられます。

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シノアリスユーザーのニーズとは何か

さてこれまで、ギシアンパスの特典は「運営がユーザーにしてほしいこと」ありきのものが多いという話をしてきました。
では、シノアリスのユーザーがしたいこと、ユーザーのニーズはどこにあるのでしょうか。

これはもちろん一概に断言できるものではなく、80%くらいは僕個人の意見です。(残り20%は、Twitterなどで反応を見て感じることです)

「コロシアムも周回も共闘も頑張って報酬をもらいたい」
ではなく
「楽して(できれば何もせずに)報酬をもらいたい」

なのではないかと感じます。(異論は認める)

シノアリスはコロシアムで毎日時間を使っているので、それ以外のクエスト周回などは、可能な限り負担を減らしたい、と考えるユーザーは少なくないのではないでしょうか。

実際僕の場合も、auto周回機能を使って、極力周回の負担を減らしながらゲームを続けています。
コロシアムはともかく、イベントの周回を頑張りたいとは思っていないです。

メリハリをつけて、楽できるところは楽してプレイしたい、と考えているユーザーが多いと思うのです。

それを踏まえて改めて、ギシアンパスの特典が、ユーザーを楽にするものかを考えてみると、全くそうではなく、お得感押しでしかないな、と感じます。

魅力的なサブスクリプションサービス設計の指針

これまで、シノアリスのギシアンパスの中身を説明しながら、何故ギシアンパスが魅力的でないのかを説明してきました。

最後は、このギシアンパスの例から、魅力的なサブスクリプションサービスをどう設計するのかについて考えてみたいと思います。

サービス設計にあたって考えるべきポイントには、以下があると思います。

  • プロダクト中心ではなく、ユーザー中心であること
  • 契約の1期間で魅力を感じられること
  • 徹底してわかりやすくすること

1点目、「プロダクト中心ではなく、ユーザー中心であること」
これはサブスクリプションサービスにおいては絶対的な真理ですね。

ギシアンパスは、プロダクトとしてユーザーにしてほしいことが中心にあるように感じるので、ユーザーファーストではなさそうです。

「サブスクリプション」(ダイヤモンド社)でも度々触れられていますが、企業はユーザーと一人一人と向き合い、ニーズに答え、常にアップデートしていかなければなりません。

サブスクリプションモデルで、毎月契約が更新されることと、毎月単発の購入を行うことは、似ているようで全く異なります。
プロダクトを売るのではなく、サービスを売る。そのためには、サービスがユーザーにどう届き、使われ、評価されるのかに徹底して向き合う必要がある、と感じました。

2点目の「契約の1期間で魅力を感じられること」
ギシアンパスのように、継続することで特典を増やす形ではなく、いつ契約、いつ解約しても、その月にちゃんと魅力を感じられるような設計にすべきだ、と考えます。

3点目の「徹底してわかりやすくすること」は、ユーザーに安心感を与える上で非常に重要だと考えます。

ギシアンパスの説明は非常にわかりにくく(冒頭の特典一覧書くのに苦労しました。見落としある気がする)、マンスリーミッションはどれだけこなせば報酬を取り切れるのかわかりませんし、継続で獲得できる武器の一覧もなく、不親切だと感じます。

考えてみれば、定額動画配信サービスなどで、購入前にもコンテンツを検索できるようになっていますよね。
あれは、見たいコンテンツが確かに存在しており、契約すれば確実に見ることができる、というのを説明する意図もあるのだと気付かされました。

コナンが検索にヒットするから、Huluに加入する、というのとロジックは一緒です。

最後に

この記事では、ギシアンパスがなぜ魅力的でないのかを解説し、これをケーススタディとして、サブスクリプションサービスを設計するにあたって意識したいことを整理してきました。
半分は僕の思考の整理のためのアウトプットです。笑

僕は、ギシアンパスは金の方の初月無料だけお試しして、継続課金は速攻解約しています。
(自動更新なので、無料お試しする方はご注意ください。即解約しても1ヶ月間は恩恵を受けられます)

ギシアンパス金は、個人的には買わなくて良いと思います。
買うならスキップのために銀だけ買う、かな…。
価格も見合わないですしね。

先述したとおり、サブスクリプションサービスは、常にアップデートし、変化し続けて良いものだと考えています。
もしこの記事がシノアリスの運営さんの目にとまったら…そのときはサービスの内容アップデートについて、ぜひ検討していただきたいところですね。

それでは。

コメント

  1. KGY より:

    シノアリスやったことないけど、ミッションの景品豪華にしただけならやらないなー。サブスクならライトユーザ向けのサービスにしてほしかった。

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